好きなんですっ、先生!
そう思いながら勝手に助手席に座ろうとした。
「神崎、一緒に後ろ乗ろ?」
「…え、えぇ?」
いきなり手を繋いで車に乗り込んだ朝倉くん。
右手にはあったかい朝倉くんの手が繋がれたままで。
なんか、やってることナチュラルにかっこよくて…なんなの!?
「…なんだお前ら、いちゃついてんじゃねぇよ、人の車ん中で…」
バックミラー越しにみえた先生のお顔。ほっそーい目をしてこちらを睨んでいるのだ。
なんだか私は、複雑な気持ちになった。
「あ、のさ?もう離してもいいかな…?」
「俺はずっとこうしてたいけど、だめ?」
朝倉くん、質問を質問で返してこないでよ…。
だめって言うか、先生の前でやめてほしいわけでして…。
「おい、もうやめろよ。」
「椎名先生はなんでそんなに怒ってるんですか?」
ちょっとだけいつもより低い声だった先生。
それに向かって冷静に言葉を返す、朝倉くん。
たしかに、なんで先生そんなに怒ってるんだろう…。
そうこうしている間にお店についた。
あれから先生はなにも言葉を返さないで、二人とも話もせず…。
さらに朝倉くんは手を放してくれないし。
……ちょっと気まずかったな。