幸せのツボミ
4章【僕のツボミ】
彼女と別れてから、僕は何度も人との縁を失った。
仲良くなったと思っていた人が離れていった。
大切にしたいと思っていた関係が、いつの間にか終わった。
自分では大切にしていたつもりなのに、上手くいかなかったこともあった。
そのたびに、僕は少しずつ傷ついた。
最初のうちは、
「また仲直りできるかもしれない」
と思っていた。
でも、何度も同じことが続くと、人は少しずつ諦め方を覚えていく。
期待しなければ傷つかない。
最初から近づきすぎなければ、離れていったときに苦しくない。
そんなことを考えるようになった。
そしていつの間にか、
――僕って、人に好かれないのかな。
そんなことまで考えるようになった。
僕には、幸せになる才能がないのかもしれない。
誰かとずっと仲良くすることも。
誰かに大切にされることも。
僕には向いていないのかもしれない。
そうやって何度も自分に言い聞かせているうちに、心の中にあった何かが、少しずつ色を失っていった。
だから、彼女を見たときに思った。
彼女のツボミは、これから綺麗な花になる。
きっと、今の彼氏とたくさん笑って。
たくさん幸せになって。
いつか、綺麗な花を咲かせる。
でも僕は?
僕のツボミはどうなんだろう。
まだ咲いていないだけなのか。
それとも。
もう枯れてしまったのか。
いやきっと無くなってしまったのかな…。
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