幸せのツボミ
7章【君じゃない】
涙を拭いながら、僕は思った。
僕が恋しいのは、彼女じゃない。
きっと、あの頃の自分なんだ。
誰かに甘えることができた自分。
辛いときに、一人じゃなかった自分。
誰かの優しさを、当たり前のように受け取っていた自分。
僕が戻りたいと思っているのは、彼女の隣じゃない。
あの頃の自分のところなのかもしれない。
そう考えると、不思議と少しだけ涙が止まった。
彼女には、今の幸せがある。
僕には、今の人生がある。
もう交わらない道もある。
それでいい。
彼女の幸せを願うことと、彼女を取り戻したいと思うことは、同じじゃない。
大切だった人が幸せになっていくのを、ただ嬉しいと思うことだってある。
僕はそれでいいと思った。
だから、もう彼女に何かを求めることはしない。
今日送れなかった言葉も、それでいい。
僕の中だけに残しておけばいい。
――可愛くなったね。
そう思った。
それだけで十分だった。
僕が恋しいのは、彼女じゃない。
きっと、あの頃の自分なんだ。
誰かに甘えることができた自分。
辛いときに、一人じゃなかった自分。
誰かの優しさを、当たり前のように受け取っていた自分。
僕が戻りたいと思っているのは、彼女の隣じゃない。
あの頃の自分のところなのかもしれない。
そう考えると、不思議と少しだけ涙が止まった。
彼女には、今の幸せがある。
僕には、今の人生がある。
もう交わらない道もある。
それでいい。
彼女の幸せを願うことと、彼女を取り戻したいと思うことは、同じじゃない。
大切だった人が幸せになっていくのを、ただ嬉しいと思うことだってある。
僕はそれでいいと思った。
だから、もう彼女に何かを求めることはしない。
今日送れなかった言葉も、それでいい。
僕の中だけに残しておけばいい。
――可愛くなったね。
そう思った。
それだけで十分だった。