幸せのツボミ
8章【枯れたツボミ?】
翌朝。
カーテンを開けると、朝の光が部屋に入ってきた。
昨日泣いたことが嘘みたいだった。
世界は何も変わっていない。
彼女はきっと今日も、今の彼氏と笑っている。
僕は今日も、一人で歩いていく。
その事実は変わらない。
でも、昨日とは少しだけ違うことを考えていた。
彼女の幸せのツボミは、きっと綺麗な花になる。
それは、今でもそう思う。
じゃあ、僕は?
僕のツボミは。
何度も人との縁を失った。
何度も傷ついた。
何度も「どうせ上手くいかない」と思った。
そのたびに、ツボミは少しずつ色を失っていった。
だから僕は、もう枯れてしまったのだと思っていた。
幸せになることなんて、自分には向いていない。
そう思っていた。
でも。
ふと、疑問が浮かんだ。
――枯れた花と、まだ咲いていない花って、どうやって見分けるんだろう。
僕は答えられなかった。
花が咲いていない。
それだけで、枯れていると言えるのだろうか。
誰にも見えないところで。
誰にも気づかれないところで。
まだ小さく息をしているものまで。
僕は「枯れた」と決めつけているだけじゃないのか。
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