WINNER
「思った通り、ぴったり!」とものの10分で私はウェディングドレスに着替えさせられた。それはシンプルなマーメイドドレスで、凝ったレースが人魚の尾ひれを飾っていた。
朱里は手際も良く下ろしてあった私の髪をきれいにまとめ上げ夜会巻きを作り上げると、その上にキラキラと輝くティアラを乗せた。ふわり、とベールが顔の横に掛かる。
夢見てたわけじゃないけれど、私には何となく一生無縁だろうと思ってた花嫁姿が出来上がった。
「キレイだよ陽妃」と私の姿を見て敦美がすでに涙を浮かべている。
いや……あのぉ……
私って結婚するの??
誰と?
と思っていると
「こちらアヤメ、こちらアヤメ。花嫁の支度整いました」とインカム!?でどこに指示出してんの!?てか花嫁じゃないし!
もうツッコミ所が多すぎてどこをツッコンでいいのか。
敦美に手を引かれ、私の後ろを朱里がドレスの裾を持ち上げて歩き出す。これって式場に向かう花嫁さん状態じゃ……??でもここは学校で式場なんてないよね。
向かった先は、明かりの灯った体育館………
わぁ…これまた懐かしい。
今もまだ現役で使われているのであろう、バスケやバレーのコートの線、バスケットボールのゴール台。演劇部や吹奏楽部がそれぞれの成果を披露した舞台……には九条が居て―――
私は目を瞬いた。
「良かった!間に合って!」と背後から、陸ちゃん!?とママ!が走ってきて、その横に青山くんも居るし、
刑事さん二人と朱里と嵯峨野くんも揃った。益々何が起こるのか分からなくてちょっと怖くなった。
そんな時だった。
「仁科 陽妃――――!」
壇上で九条が私の名前を叫んだ。
条件反射に「は、はい!」と答えてしまった。
「好きだ――――!
中学の時からずっとずっとずーーーーっとお前のこと、好きだ!」
え―――………?