尊い推しに溺愛されてます!?
それからレンくんは、ますます私に構うようになった。

 朝は「おはよう」と笑いかけてきて、移動教室では当然みたいに隣を歩く。
 他の男子と話していると、さりげなく会話に入ってくるし、放課後にひとりで帰ろうとすると必ず迎えにくる。

「送る」

「え、大丈夫だよ」

「大丈夫じゃない。みう、無防備だから」

「そんなことないよ」

「ある」

 そう言って、私の手首を軽くつかむ。

「俺のそばにいて」

 そんなの、反則だ。

 ある日、クラスの女子たちに囲まれた。

「白石さんって、一条くんと仲よすぎない?」

「どういう関係なの?」

「まさか付き合ってたりして」

 刺さるような視線に、胸がぎゅっと縮む。
 私は首を横に振ることしかできなかった。

「ち、違うよ……!」

 本当に違う。
 私はただのファンで、相手はみんなの憧れの一条レン。
 釣り合うわけなんてない。

 そう思っていたのに。

「そのへんにして」

 静かな声がして、空気が変わった。
 女子たちの後ろに、レンくんが立っていた。

「俺がみうに話しかけてるだけ。みうを困らせないで」

「一条くん……」

「それと」

 レンくんはまっすぐ私の隣に来ると、肩を引き寄せた。

「みうは特別だから」

 一瞬、教室が止まった。

 私も止まった。

「え……」

「大事な子なんだ」

「れ、レンくん……!?」

 耳元で小さく笑う。

「もう隠さなくていいでしょ」

 心臓が、壊れそうなくらい鳴っていた。
< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop