結婚秒読みのアラサー女子、助けたカメに告られる。
しばらく考え込んでから、私はおもむろに立ち上がった。
クローゼットに仕舞った箱の中から、一冊の手帳を取り出す。今の会社に就職が決まった年、記念に買った本革カバーのシステム手帳。これも偶然だが英国ブランドだった。ただサイズがA5と大きかったため、途中でバイブルサイズの手帳に変え、この手帳は一年しか使わなかった。
見た映画か本だかの影響で、当時新卒の若者だった私は、「叶えたい夢リスト」というのをこれに書いた。
記憶に従って、私は付箋を目印に付けたページを開いた。
(……手帳と一緒に仕舞い込み、忘れていた自分の夢)
「1.今の会社で一人前になる。2.生きた英語を学ぶ。3.美文字になる。4.自炊を頑張る。5.年一で海外旅行する。6.ヨガをマスターする。……」
淡々とリストを読み上げる私の隣で、リアムも手帳を見ていた。
「……34.ブシュロンのキャトルリングが似合う女になる。……フッ、何これ」
過去の自分を思い出し、「そういえばあの頃は、社会に出て働いていれば、勝手にカッコイイ大人になれると信じていたなぁ……」と私は心の中でつぶやいた。
「これは、今の僕と同じ年のナギサが書いたものですね?」
リアムの言葉に、私は「うん」と答えた。
「今の私は、あなたのさっきの質問に答えられなかった。だから、昔の自分だったら答えを持っているかなと思って、この古い手帳を引っ張り出してみたの」
私の答えにリアムは静かに微笑み、返事の代わりに優しいキスを額にくれた。
クローゼットに仕舞った箱の中から、一冊の手帳を取り出す。今の会社に就職が決まった年、記念に買った本革カバーのシステム手帳。これも偶然だが英国ブランドだった。ただサイズがA5と大きかったため、途中でバイブルサイズの手帳に変え、この手帳は一年しか使わなかった。
見た映画か本だかの影響で、当時新卒の若者だった私は、「叶えたい夢リスト」というのをこれに書いた。
記憶に従って、私は付箋を目印に付けたページを開いた。
(……手帳と一緒に仕舞い込み、忘れていた自分の夢)
「1.今の会社で一人前になる。2.生きた英語を学ぶ。3.美文字になる。4.自炊を頑張る。5.年一で海外旅行する。6.ヨガをマスターする。……」
淡々とリストを読み上げる私の隣で、リアムも手帳を見ていた。
「……34.ブシュロンのキャトルリングが似合う女になる。……フッ、何これ」
過去の自分を思い出し、「そういえばあの頃は、社会に出て働いていれば、勝手にカッコイイ大人になれると信じていたなぁ……」と私は心の中でつぶやいた。
「これは、今の僕と同じ年のナギサが書いたものですね?」
リアムの言葉に、私は「うん」と答えた。
「今の私は、あなたのさっきの質問に答えられなかった。だから、昔の自分だったら答えを持っているかなと思って、この古い手帳を引っ張り出してみたの」
私の答えにリアムは静かに微笑み、返事の代わりに優しいキスを額にくれた。