溺愛、しないで
──ふと目を覚ます。
しかし何度瞬きをしても暗闇に包まれており、起きて早々頭の中が「?」で埋まった。
え、私死んだ?
手を動かすと、掛け布団がかけられているのが分かる。
どうやら今いる場所はベッドの上みたいだ。
私あの時、気絶しちゃったんだ。
じゃあここはどこ?
まさか、どこか帰れない場所に誘拐されたんじゃ……。
彼の裂けたような笑みを思い出し、泣きそうになりながら布団を被る。
その時だった。隣から寝息のような音がする。
恐る恐るシーツに手を這わせていくと腕の感触に当たり、思わず悲鳴を上げそうになり──手のひらで押さえられてくぐもった声が隙間から漏れた。