溺愛、しないで
私はさりげなく青島さんの手を振り払った。
「いーちゃんどうしたんスか?まだ朝方っスけど」
いーちゃん……?
「いやあの……もう帰るので案内を……」
「え?帰れるわけないじゃないスか」
「え?」
「ぶはっ!まさか帰れると思ってたんスかあ!?あははは!!」
突然体を折り曲げて笑い出した彼を見て、顔面からさあっと血の気が引いた。
青島さんがだめでも、この人ならもしかしたらって思ってたけど……私ほんとバカみたい。
この人は青島さんの命令は絶対だ。さっき、言ってたのに。
ヒーヒー言っていた彼が目尻を擦りながら口を開いた。