溺愛、しないで
「はあー、いーちゃんって面白いっスねえ。でもまあ、逃げたいなら逃げてもいいっスよ?……追いかけるのは大好きっス」
「っ……」
「あははは!やっぱり良い顔するっスね!」
また笑い出した彼を怖いので視界からさっさと追い出し、私は助けを求めるように青島さんに目を向ける。
結局この人と話をつけないときっとここからは出られない。
「何?言いたいことがあるなら聞いてやるけど」
そう言って彼が目を細めるが、そんなの多すぎて言葉にならない。
「んー?ありすぎて言葉にならないって顔っスねえ。んじゃ、まず自己紹介でもしとくっスか?俺は狭川銭次。銭ちゃんって呼んでいいっスよ」
なんで分かっ……てか誰が呼ぶか。
「青島斬人。特別に呼び捨てでいいぞ、一千映は彼女だからな」