溺愛、しないで
だめだ、話にならない。
どうして青島さんは、私を彼女だと勘違いしているんだろう。
……あれ、待てよ。
証拠がないと警察は動かないって言ってたけど、通報すれば立派な誘拐の現行犯じゃん!?
私は天啓がきたとばかりに目を輝かせるが、ふと狭川さんがスーツの内ポケットを弄りだす。
そして、そこから出てきたのは私の携帯だった。
「お見通しっス」
……自分でなんとかするしかない。
だってこのまま何も言わなかったら、付き合ってるって体で話が進んじゃう。
そんなの嫌だ。
まだ彼氏なんていたことないのに……!
私はほとんど身投げするような覚悟で口を開いた。