溺愛、しないで


絶望が涙となって溢れ出し、頬を伝って布団を濡らしていく。


最初から、選択肢なんて用意されていなかった。


涙を流している自分を見て、少しでも罪悪感を覚えてくれないかという私の浅ましい考えは、目を細めている青島さんを見て通用しないと心の底から思い知る。


袖でゴシゴシと涙を拭き、何とかこの理不尽を飲み込もうとしていると、その手を青島さんに掴まれて止められる。


「あんまり擦るな。腫れる」


子供をあやすような優しげな声音に苛(いら)立ち、私は強くその手を振り払った。


もう二度とこの人達を信じたりなんかしない。


どうして私を恋人だって勘違いしてるのか知らないけど、絶対別れてやるから……!


「……好きです」


「俺も一千映のことが好き」


私の初めての告白は、愛だとかそんなものとは程遠い絶望に彩られた挙句、性質(たち)の悪い男に奪われてしまったのだった。

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