溺愛、しないで


学校に到着する。


いつもなら携帯をいじっているが今は使えないため、そんなに興味のない景色を見て暇を潰す。


ふと駐輪場の方を見ると、知っている顔が女の子とキスしていて、私は思わず足を止めてしまった。


「えっ……」


「ん……あ、一千映」


「あごっ、こ、ごめん!」


「あー一千映待って、一緒に教室いこ」


女の子を放り──忍田雷太(しのびだらいた)──がこちらにくるのを、私は慌てて引き止めた。


「いやいやいや!あの子彼女でしょ!?いたの知らなかったけど!」


「違うけど」


「へ……?友達同士ではキスしないんだよ」


「ふは、何それかーわい。俺はすんの。あ、一千映もおはよーのちゅーする?」

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