溺愛、しないで


バイク通学してる(もちろん校則違反)雷太と下駄箱で別れ、私は携帯の電源を入れようとして──


「一千映」


次の瞬間、地を這(は)うような低音に心臓が跳ねた。


弾かれるように顔を上げると、校門の前に立っている青島さんと目が合って思わず足が止まる。


やば、忘れてた……!!


その後ろで狭川さんがゆるゆると手を振っていて軽い眩暈(めまい)がした。


「早く出てこい」


信じらんない!


普通、連絡無視してたくらいで学校まで迎えにくる!?


私が混乱している間にも、酷く苛(いら)立っている様子の青島さんがこちらを睨んでいる。


それが怖くて、足が鉛みたいに重いのに、勝手に動いてしまう。


校門を一歩出た瞬間腕を掴まれて、私は引き摺(ず)られながら停めてあった車の中に押し倒された。

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