溺愛、しないで

斬人のお仕事 斬人side



微かなエンジン音が響く車内。


一千映を家の前で降ろしてやり、俺は銭次から仕事の報告を聞きながら紫煙(しえん)を吐き出した。


──銭次には「外を見張ってろ」と命令していた。


それは誰になんと言われようがドアを開けるなということ。


銭次がその命令に背(そむ)くなら仕事が発生した時以外ありえない。


まあこんな狭い場所でことに及ぶ気なんて微塵(みじん)もなかったが。


泣いて嫌がるくせに、顔を真っ赤にして俺に縋(すが)る一千映を見て楽しんでいただけ。


にしてもあいつ、俺と会えなくても平気な顔してやがったな。


俺は朝からずっと会いたかったってのに。


仕事が終わったら絶対迎えに行こ。

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