溺愛、しないで


「ってことなんスけど……青島さん、ちゃんと聞いてるっスか?」


「んだと?聞いてるわボケ」


「なら、まだ治ってないんスからなるべく穏便にお願いしますっス。ジーさんにも言われてるんスよ、俺の病院の評判を下げるなって」


「別に何もしてねえだろ」


「患者の傷の治りが著(いちじる)しく遅いのは、執刀医……つまりジーさんの腕を疑われて、裏では致命的って事っス」


会うたびに「追い出すぞ!」と喚(わめ)く老人の顔が浮かび、憂鬱な気分になった俺は、すぐに頭からそのイメージを追い出した。


──夜の帷(とばり)が降りた街の中心部。


俺はそこでいくつか店舗を経営している。


その数ある中で“バー”は特別だった。


表は一般客も来る普通のバーだが、裏では完全会員制の違法賭博が毎夜のように行われている。


俺はその元締めってわけだ。

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