独占愛は夜より深く。
「安心させる資格なんかないのも知ってる」

「そんな言い方……」

「事実だろ」

苦く笑うその横顔が、ひどく寂しく見えた。

私は少し迷ってから、そっと要の袖をつまんだ。
前はそれだけで精いっぱいだったのに、今はもう少し近づきたいと思ってしまう。

「資格とかじゃなくて」

要がこちらを見る。

「……そばにいてほしいの」

言った瞬間、顔が熱くなる。
でももう引っ込められない。

要の目が、静かに揺れた。
普段なら余裕で笑うような言葉なのに、今は本当に大事なものを触れられたみたいな顔をする。

「それ、反則」

かすれた声に、心臓が大きく跳ねた。

次の瞬間、ぐっと腕を引かれる。
気づけば私は、要の胸の中に収まっていた。

「っ、要……」

「少しだけ」

耳元に落ちた声が、ひどく甘い。

抱きしめる力は強いのに、苦しくはない。
むしろ包まれているみたいで、張りつめていたものが少しずつほどけていく。

要の胸に額が当たる。
規則正しい鼓動が聞こえる。
こんなに落ち着くのに、同時にどうしようもなくどきどきする。
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