独占愛は夜より深く。
私は少し迷ってから、そっと要の肩にもたれた。

すると要が一瞬だけ息を止める。
でもすぐに、壊れものに触れるみたいに私の肩を抱いた。

「……これくらいなら、してもいい?」

小さく聞くと、要の喉がかすかに動く。

「今さら」

「やだった?」

「逆」

短いその答えが、甘すぎる。

次の瞬間、要の唇が私の髪に触れた。
軽く、やさしく。
キスというより、宝物に触れるみたいな口づけだった。

「ほんとに、離したくなくなる」

低くこぼれたその本音に、胸がきゅっと鳴る。

私は目を閉じた。
今だけは、真相も痛みも少しだけ遠くに置いていたかった。
要の腕の中で息をするこの時間だけ、何も考えずにいたかった。

部屋の向こうではまだ、かすかに資料をめくる音がする。
夜は終わっていない。
闇も、真実も、これからだ。

それでも今は、このぬくもりがほしいと思った。
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