独占愛は夜より深く。

第七章

要の腕の中は、思っていたより静かだった。

外ではまだ夜が動いている。
伊織たちは映像を追い、恒一と碧は周囲を警戒している。
なのにこの小さな空間だけ、時間が止まったみたいだった。

私は要の胸にもたれたまま、小さく息を吐く。

「……落ち着くの、悔しい」

かすれた声で言うと、頭の上で要が少しだけ笑った。

「悔しがる必要ない」

「あるよ。要のこと、簡単に許したくないのに」

「許さなくていい」

低い声は、やさしいままだった。

「その代わり、離れるな」

またそういうことを言う。
ずるい。
本当にずるいのに、その言葉を少しうれしいと思ってしまう。

私は少しだけ体を離して、要の顔を見上げた。
薄暗い灯りの中でも、要の目だけはまっすぐ私を捉えている。
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