アンケート企画「強がりの嘘」
覇犁が振り返ろうとした拍子に、足がすべった。

「あ、」

バランスを崩した覇犁の体が、大きくよろめく。

「危ないっ!」

帆稀が咄嗟に覇犁の身体を抱きとめようと、両手を伸ばした。

しかし、勢いがつきすぎていた。

二人の身体はもつれるようにして、図書室の重い机の陰へと倒れ込む。

床にぶつかる衝撃を覚悟して覇犁が目を閉じた瞬間、

予想外の、柔らかくて温かい感触が唇に触れた。

「――っ!?」

目を開けると、すぐ目の前に帆稀の驚愕に満ちた目があった。

偶然の事故。

倒れ込んだ拍子に、二人の唇が完全に重なってしまっていた。

驚きのあまり、数秒間、時が止まったように二人は動けなかった。

心臓の音がうるさいほどに耳の奥で鳴り響く。

帆稀の顔が、今までに見たことがないほど真っ赤に染まっていくのが分かった。
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