ラッセルの丘で
戸惑った様子を見せたのはほんの一瞬で、すぐさまふっ、と嬉しそうな顔になった。
「かわいがってくれるわけ?」
「かわいがられるの、好きなんでしょ?」
しっかりばっちり硬くなっているそれを、布越しに撫でる。ほとんど力を入れないようにして、そっと上下に撫でるだけ。
もどかしいのか、恨めしそうに目を細めて睨んできたから、おかしくなってしまう。
さっきの仕返しをしてやろう、というより外でできないことをしてあげようかな、という気分になっていた。
手で胸を隠してベッドから下り、置いてあったスリッパをつっかけて、ドアの横の照明のスイッチを切った。いつものごとく、夏のロンドンは夜8時を回っても外は明るい。それでもカーテンを引いた室内は、明かりなしだと多少薄暗くはなる。
「こっち、座って?」
ベッドの端に促すと、意味がわかったらしい憧くんはわかりやすく動揺した様子を見せた。
「いいって、さすがにそれは」
「年上に敬意払うんでしょ? ほら、言うこときいて」
「なんだよ、それ……」
呆れた風を装いながらも、言った通りこちらに来てベッドの縁に腰かける。その脚の間に跪いて、私は憧くんを見上げた。
「……これされるの、嫌い?」
「嫌いな男、いないと思うけど?」
「よかった」
下着に手を掛けてするりとずりおろす。反り返るほど見事に勃ちあがったそこに手を伸ばし、根元を軽く握った。そっと先端部分に舌を伸ばすと、すでにぬるりと潤っていた。
「なんか出てるよ?」
「……そりゃ出るだろ。お前だってぐしょぐしょだったし」
舌を何往復かさせて綺麗に舐めとって、先端部分を唇で挟む。軽く口をすぼめるようにしてちょっと吸い気味に、くびれの部分から先端部分までゆっくり往復させる。何度かくり返しながら、少しずつ動きを速めてみた。
うっ、と小さく呻いて俯いた憧くんは、押し殺したように浅く呼吸を繰り返した。ちゃんと気持ちよくなってるのかな、となんだか嬉しくなってくる。もう少し下の方――竿の部分まで口に含んで、舌も使いながらちゅるっ、ちゅるっと吸いあげる。
正直、結構大きいから口いっぱいに含んでそんなふうにしていると、すぐに顎が疲れてきてしまう。とはいえ、頻繁にこんなことができるわけでもないから、またとない機会だ、意識してなるべく唾液を溜めて、歯を当てないように気を付けて「ご奉仕」を続けてみる。
じゅぽっ、じゅぽっ、といやらしい音が立って、知らず知らず興奮してしまう。憧くんも、はぁ、はぁと息が荒くなっていて、それも私を煽る。
「んっ……んっ……」
憧くんの手が伸びてきて、頭に触れる。髪を撫で、梳いて、弄ぶ。時おり、ちょっと乱暴にくしゃっと鷲掴んできたりもする。
握った根元の部分を軽く扱きながら、先端の小さな穴の辺りを舌で何度も撫で上げると、うっ、とはっきり声を漏らした憧くんは両手で私のほおを挟んで動きを止めてきた。
「だめ。それ以上されたら、イキそう」
「いいよ、別に」
「よくない。来いよ、もう挿れる」
両肩を掴まれ、ベッドに引っ張り上げられる。スリッパが乾いた音を立てて転がるのを耳に、憧くんの膝の上に乗っかる格好できつく抱きしめられる。
キスをしながら私の下着をずり下げそのまま脱がせてしまうと、再び指を中へとねじ込んでくる。口を塞がれたまま身じろぐと、憧くんはことさら乱暴に奥を抉ってきた。
ぬちゅっ、ぬちゅっ、といやらしい音と共に好き勝手弄ばれながら、びくっ、びくっ、とすぐさま私は上りつめてしまう。のけ反った勢いで唇が離れると、憧くんは薄笑いと共にやけに軽薄に煽ってくる。
「さっきよりびっしょびしょ。なあ、なんでこんなんなってんの?」
「……弄るからでしょ、ばか」
睨んでやると、ふっ、と今度は打って変わって優し気に微笑んで頭を撫でてくる。そして、ことさら丁寧に私をベッドに寝かせると、チェストの一番上の引き出しを開けた。
箱からごそごそあれを取り出して準備している気配のあと、ほどなく両腕を引っ張られ、上体を起こされる。
「乗って」
言われた通り、憧くんの両肩につかまりながら膝に跨った。さりげなく手を添えてくれている堅いその部分を感じながら、ゆっくり腰を落とした。
くちゅっ、と音を立てて中へと飲み込んでいく。かなり濡れているとはいえ、指とは比べ物にならない太さのそれがめりめり奥をこじ開けていく感覚に思わずのけ反ってしまう。
「んんんっ……」
声が洩れそうになると、すぐさま深いキスで封じられた。つながった下半身に負けず劣らず口の奥深くまで舌が犯してくる。何もかも奪いつくそうとしているような乱暴な口づけ。魂すら吸われて抜き取られてしまいそうな気がして怖くなった。
ウエストを掴まれて揺さぶられ始めると、新たに加わった刺激でほどなく頭がショート寸前になった。いっぱいいっぱい、どころか、受け止めきれない快感の海に溺れてしまいそうになる。長いキスで酸素が足りない。薄らいでゆきそうな意識の狭間で、あまりの気持ちよさにただただ翻弄されるのみだ。
ようやくキスから解放されて肩で息をしていると、今度は胸へと唇が滑り落ちてくる。乱暴に啄まれ、吸われ、舌で弄ばれ、軽く歯まで当てられると、我慢できずに思い切り喘いでしまった。
「あぁぁぁぁっ……んっ」
「優依……」
こうやって、行為の最中に名前を呼ばれると、いつもドキッとする。すごく切なげでうっかり愛おしさすら覚えそうになるからだ。
ぐいっとそのまま身体を倒され、脚を大きく開かされたあられもない格好で奥の奥を突きあげられる。ぐっ、ぐっ、と痛いくらいに繰り返し、繰り返し。あっ、あっ、と動きに合わせて声を上げる私を熱を帯びた目で見下ろしながら、ひどく優し気に憧くんが囁いてくる。やばいくらいかわいい、と。
「憧く……んっ……」
「優依……優依……」
ああ、なんだろう、これ。
ただ気持ちいいだけじゃなくて、もっと深いところで何かを感じてしまいそうになる。それでもいいじゃない、とあっさり堕ちていこうとする自分を寸でのところで何かが押しとどめる。
「すっご……気持ちいい……変になるぅ……んっ」
「オレも……」
私の片脚を肩まで抱えあげ、もう片方の太腿に跨るようにしてさらに深く繋がりながら、さらに激しく動いてくる。さっきから何度も何度もイって、もうわけがわからない私は、ただされるがままに揺さぶられ、貪られるまま喘ぐだけだった。
「優依……好きだよ、優依……」
ああ、とうとうその言葉を口にしてしまうんだ――意識の片隅でひやりと思ったのはほんの一瞬だった。
「好き……憧く……あぁぁっ」
ふと、お返しみたいに口を付いて出てきたその言葉に、自分自身が一番驚いていた。
乱暴なくらい激しく腰を打ち付けられ、奥を突かれるたびに意識が飛びそうになる。わけもわからず憧くんを呼び続けているうちに、真っ白な光の中に放り出されて、形を失って溶けてしまう。
そう思ったのを最後にすうっと何もかもが消えてしまった。
「かわいがってくれるわけ?」
「かわいがられるの、好きなんでしょ?」
しっかりばっちり硬くなっているそれを、布越しに撫でる。ほとんど力を入れないようにして、そっと上下に撫でるだけ。
もどかしいのか、恨めしそうに目を細めて睨んできたから、おかしくなってしまう。
さっきの仕返しをしてやろう、というより外でできないことをしてあげようかな、という気分になっていた。
手で胸を隠してベッドから下り、置いてあったスリッパをつっかけて、ドアの横の照明のスイッチを切った。いつものごとく、夏のロンドンは夜8時を回っても外は明るい。それでもカーテンを引いた室内は、明かりなしだと多少薄暗くはなる。
「こっち、座って?」
ベッドの端に促すと、意味がわかったらしい憧くんはわかりやすく動揺した様子を見せた。
「いいって、さすがにそれは」
「年上に敬意払うんでしょ? ほら、言うこときいて」
「なんだよ、それ……」
呆れた風を装いながらも、言った通りこちらに来てベッドの縁に腰かける。その脚の間に跪いて、私は憧くんを見上げた。
「……これされるの、嫌い?」
「嫌いな男、いないと思うけど?」
「よかった」
下着に手を掛けてするりとずりおろす。反り返るほど見事に勃ちあがったそこに手を伸ばし、根元を軽く握った。そっと先端部分に舌を伸ばすと、すでにぬるりと潤っていた。
「なんか出てるよ?」
「……そりゃ出るだろ。お前だってぐしょぐしょだったし」
舌を何往復かさせて綺麗に舐めとって、先端部分を唇で挟む。軽く口をすぼめるようにしてちょっと吸い気味に、くびれの部分から先端部分までゆっくり往復させる。何度かくり返しながら、少しずつ動きを速めてみた。
うっ、と小さく呻いて俯いた憧くんは、押し殺したように浅く呼吸を繰り返した。ちゃんと気持ちよくなってるのかな、となんだか嬉しくなってくる。もう少し下の方――竿の部分まで口に含んで、舌も使いながらちゅるっ、ちゅるっと吸いあげる。
正直、結構大きいから口いっぱいに含んでそんなふうにしていると、すぐに顎が疲れてきてしまう。とはいえ、頻繁にこんなことができるわけでもないから、またとない機会だ、意識してなるべく唾液を溜めて、歯を当てないように気を付けて「ご奉仕」を続けてみる。
じゅぽっ、じゅぽっ、といやらしい音が立って、知らず知らず興奮してしまう。憧くんも、はぁ、はぁと息が荒くなっていて、それも私を煽る。
「んっ……んっ……」
憧くんの手が伸びてきて、頭に触れる。髪を撫で、梳いて、弄ぶ。時おり、ちょっと乱暴にくしゃっと鷲掴んできたりもする。
握った根元の部分を軽く扱きながら、先端の小さな穴の辺りを舌で何度も撫で上げると、うっ、とはっきり声を漏らした憧くんは両手で私のほおを挟んで動きを止めてきた。
「だめ。それ以上されたら、イキそう」
「いいよ、別に」
「よくない。来いよ、もう挿れる」
両肩を掴まれ、ベッドに引っ張り上げられる。スリッパが乾いた音を立てて転がるのを耳に、憧くんの膝の上に乗っかる格好できつく抱きしめられる。
キスをしながら私の下着をずり下げそのまま脱がせてしまうと、再び指を中へとねじ込んでくる。口を塞がれたまま身じろぐと、憧くんはことさら乱暴に奥を抉ってきた。
ぬちゅっ、ぬちゅっ、といやらしい音と共に好き勝手弄ばれながら、びくっ、びくっ、とすぐさま私は上りつめてしまう。のけ反った勢いで唇が離れると、憧くんは薄笑いと共にやけに軽薄に煽ってくる。
「さっきよりびっしょびしょ。なあ、なんでこんなんなってんの?」
「……弄るからでしょ、ばか」
睨んでやると、ふっ、と今度は打って変わって優し気に微笑んで頭を撫でてくる。そして、ことさら丁寧に私をベッドに寝かせると、チェストの一番上の引き出しを開けた。
箱からごそごそあれを取り出して準備している気配のあと、ほどなく両腕を引っ張られ、上体を起こされる。
「乗って」
言われた通り、憧くんの両肩につかまりながら膝に跨った。さりげなく手を添えてくれている堅いその部分を感じながら、ゆっくり腰を落とした。
くちゅっ、と音を立てて中へと飲み込んでいく。かなり濡れているとはいえ、指とは比べ物にならない太さのそれがめりめり奥をこじ開けていく感覚に思わずのけ反ってしまう。
「んんんっ……」
声が洩れそうになると、すぐさま深いキスで封じられた。つながった下半身に負けず劣らず口の奥深くまで舌が犯してくる。何もかも奪いつくそうとしているような乱暴な口づけ。魂すら吸われて抜き取られてしまいそうな気がして怖くなった。
ウエストを掴まれて揺さぶられ始めると、新たに加わった刺激でほどなく頭がショート寸前になった。いっぱいいっぱい、どころか、受け止めきれない快感の海に溺れてしまいそうになる。長いキスで酸素が足りない。薄らいでゆきそうな意識の狭間で、あまりの気持ちよさにただただ翻弄されるのみだ。
ようやくキスから解放されて肩で息をしていると、今度は胸へと唇が滑り落ちてくる。乱暴に啄まれ、吸われ、舌で弄ばれ、軽く歯まで当てられると、我慢できずに思い切り喘いでしまった。
「あぁぁぁぁっ……んっ」
「優依……」
こうやって、行為の最中に名前を呼ばれると、いつもドキッとする。すごく切なげでうっかり愛おしさすら覚えそうになるからだ。
ぐいっとそのまま身体を倒され、脚を大きく開かされたあられもない格好で奥の奥を突きあげられる。ぐっ、ぐっ、と痛いくらいに繰り返し、繰り返し。あっ、あっ、と動きに合わせて声を上げる私を熱を帯びた目で見下ろしながら、ひどく優し気に憧くんが囁いてくる。やばいくらいかわいい、と。
「憧く……んっ……」
「優依……優依……」
ああ、なんだろう、これ。
ただ気持ちいいだけじゃなくて、もっと深いところで何かを感じてしまいそうになる。それでもいいじゃない、とあっさり堕ちていこうとする自分を寸でのところで何かが押しとどめる。
「すっご……気持ちいい……変になるぅ……んっ」
「オレも……」
私の片脚を肩まで抱えあげ、もう片方の太腿に跨るようにしてさらに深く繋がりながら、さらに激しく動いてくる。さっきから何度も何度もイって、もうわけがわからない私は、ただされるがままに揺さぶられ、貪られるまま喘ぐだけだった。
「優依……好きだよ、優依……」
ああ、とうとうその言葉を口にしてしまうんだ――意識の片隅でひやりと思ったのはほんの一瞬だった。
「好き……憧く……あぁぁっ」
ふと、お返しみたいに口を付いて出てきたその言葉に、自分自身が一番驚いていた。
乱暴なくらい激しく腰を打ち付けられ、奥を突かれるたびに意識が飛びそうになる。わけもわからず憧くんを呼び続けているうちに、真っ白な光の中に放り出されて、形を失って溶けてしまう。
そう思ったのを最後にすうっと何もかもが消えてしまった。