ラッセルの丘で
 そうして昼間は精力的に観光を楽しんで、夜は夜でホテルの部屋でぞんぶんに「仲良く」過ごした。オレはもとからそのつもりだったし、優依もまあ、ノリノリ、とはいわないまでも、決して嫌がりはしなかったから、毎晩、くたくたになるまで何度もセックスして、シャワーを浴びて朝まで同じベッドでくっついてぐっすり眠る、というのを連日楽しんだ。
 そもそも、ロンドンにはいわゆる「ラブホ」がない。まあ、たとえあっても留学中の身でそんなところに通うわけにもいかない。ホームステイしているから、おいそれと部屋に連れ込むわけにはいかないし、ベッドでぞんぶんに抱き合える機会は、とても貴重だ。これから寒くなれば、夜中にアレクサンドラパークで、というわけにもいかなくなる。
 最終日は、チェックアウトの直前まで朝っぱらからやりまくって、さすがに隣の宿泊客(おそらく韓国人カップル)にも声を聞かれていたらしく、廊下ですれ違った際に、思わせぶりな薄笑いをされて、かなり気まずい思いをしてしまうことになった。優依には「だから、やめようって言ったのに」とさんざん怒られてしまったが、まあ、本当に心底嫌だったわけではないのは、ちゃんとわかっている。というわけで、旅行前にBootsで調達しておいたゴムは、帰るときには綺麗に使い切って空っぽになっていた。
 カルトミュゼは5日間のを買っていたから、最終日はルーブルの見きれていないセクションをゆっくり見学して、カフェであれこれ話したり、学校の友達にお土産を買ったりしてのんびり過ごした。
 帰りのユーロスターは最終だったから、夕方にパリを発って夜8時ごろウォータールー駅に着いた。地下鉄とバスを乗り継いでラッセルヒルに着く頃には9時半を回っていて、優依をステイ先まで送って帰宅すると、さすがにぐったり疲れていた。
 とはいえ、優依と二人で旅行して本当によかった、と大満足で眠りに就いた。
 少しずつ、オレの中で優依の存在が大きくなっている。そして、それをどちらかというと好ましく思っている自分を素直に受け入れていたのだった。
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