恋のメンテナンスは必要ですか?
 
「嘘つきっ!だったらあの女の人は?!」
「あいつは俺の秘書で浮気とかじゃない。」
「秘書だから大丈夫なんて思えないです!」
「違うんだ……女に見(・)え(・)る(・)あの秘書は——」
 
 彩と翔が玄関で言い合っていると「呼びました?」と女性がひょこっとリビングから顔をだした。
 突然の声掛けにすっかり女性の存在を忘れていた彩は「きゃあぁ!」と驚いて飛び跳ねる。
 
 女性は驚く彩のことを気にもせず、ズカズカと玄関に歩いてきた。
 頭をかきながら悲しそうに話し出す。
 
「あのさぁ……昼のドラマ的展開は見てて面白いけど、人がいるの忘れるのやめてくんない?俺、悲しくなるから」
 女性は野太い声であっけらかんと話した。
 バクバクと脈を打つ心臓が彼女の言葉で冷静を取り戻していく。
 
(……俺?今この人【俺】って言った?)

 見た目はとても綺麗な女性なのに彼女の声は男性のように低く。
 翔は額に手を当て、言った。

「ごめん……こいつ女装してるだけで男なんだよ……」
「……え」

 彩が女性を見つめると彼女は頭につけていた髪の毛だ(・)っ(・)た(・)も(・)の(・)を取り外す。
 
 
「えええええぇぇぇぇっ?!?!」

 最近で一番の驚きだった。
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