恋のメンテナンスは必要ですか?
 付き合ってから3ヶ月経った頃から、雑に扱われることが増えた。

 ——『なぁ。洗濯物溜まってんだけど』
 ——『飯は?何もせずに帰るとか何のために来てんの?』
 ——『テメェがグズでダメな人間だから俺のやることが増えんだよ!』
 

 ……素敵と思っていた彼は付き合って変わった。
 
 機嫌が悪ければ少し声をかけただけで怒鳴られて。
 彼の家に呼ばれ行くと都合よく扱われた。
 行きたくないと言えば私を探し出して殴る。

 人がいる時は愛想のいい優しい彼のまま。
 ……誰にも信じてもらえなかった。

 増える見えない箇所の痣。
 限界だった。

 
 どうにもならず困って友人に相談した時、現れたのが三人目の彼氏。
 
 爽やかなスポーツマンで友人の友人だった彼は自分のことのように話を真剣に聞いてくれて。
 二人目の彼氏との別れ話を助けてくれたのも彼だった。

 助けられた大きな背中に胸をときめかせて。
 安心感に信用してしまった。

 彼は【重すぎる愛】の持ち主だとは知らずに。


 ——『彩?今日は何時に終わる?』
 ——『迎えに来たよ』

 最初は優しい人だと思った。

 ——『え、明日会えないの?』
 でも、

 ——『俺はこんなにも彩が好きで一緒にいたいのに、彩は友達を優先するんだ?』
 
 彼にとって私は所有物なのか、それとも支配欲を満たすための道具だったのか。
 
 ——『GPS持ってよ……なんでダメなの?浮気?』
 ——『一緒に住もう。常に一緒にいないと安心できない。』
 数ヶ月が経ち、日に日に強くなる束縛にもう無理だと思った。

 
 毎日短い間隔で送られてくるメッセージに息が詰まる。
 友人との時間も遠慮なしにかけられる電話とメッセージ。
 返信を止めると『何してたの?』『浮気してるんだ』と問い詰められて。

 そんな日々に神経をすり減らした。
 もっと早く別れたかったけど怖くて。
 勇気を出して別れ話をしたら『絶対別れない』と懇願されたけど耐えられなかった彩は無理やり別れた。

 ……別れてから、ストーカー行為が始まった。
 
 勝手に家に上がってくる彼に恐怖を感じ、警察に相談して就職と同時に一人暮らしをやめて実家に戻った。
 実家に帰ったことでストーカー行為も落ち着き、また一人暮らしを始めて。
 
 もう大丈夫だと思ったのに。
 
 彼はまた、私の目の前に現れた。
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