恋のメンテナンスは必要ですか?
どうやら端末からこちらの応答関係なく繋がるように設定されているのか、勝手にこちらの映像と声もあちらに映し出されている。
「神崎さん、こんにちは!……すいません、息子さんの家に上がってしまって」
彩は思わぬ相手の登場に緊張した。
本人に許可はもらっているとはいえど、息子の家へ上がり込む女に不安しかないだろうと丁寧に謝る。
『なにを言ってるんだ。未来の嫁候補に遠慮はいらないよ。』
「さっき事件に巻き込まれたばかりの彼女にとんでもないことを言うな!」
流石の進も間違えたと感じたのか、
翔の叱咤に『ふむ。確かにな』と頷くと進は彩に『申し訳なかった。デリカシーに欠けていたよ』と謝った。
「大丈夫ですよ!神崎さんたちには本当に助けていただいて、ありがとうございます。」
『大したことはしていないよ。そうだ、今後の話は翔から聞いたかい?』
「?……いえ、まだ」
会話を割るように翔は「今話そうとしてたんだ」と言うが、『さっさと話せばいいだろう。遅い。』と怒られ、父の理不尽さに翔は眉間へ皺を寄せる。
そんなことは知らないとでも言うように進は彩だけを見つめ、話した。
「彩さん、君が良ければそのままそこに住まないか?」
「えっ?!それは流石に……」
冗談にも思える本気の提案に彩は困った。