『冥府の門番は今日も忙しい!――聞いてないぞ! 死神が仕事放棄とか!――』
そんな冥府庁の数ある部署の中に、別の世界へ転生することになった魂を扱う部門がある。
――異世界転生部門。
そこには今日も、さまざまな世界から送られてきた魂が途切れることなくやって来る。
その門の前で、一人の男が頬杖をつきながら、目の前の魂へ面倒そうに問いかけた。
「で、お前はどこの世界から来たんだ?」
男はまだ若い。
冥府庁の中では、間違いなく若手に入る。
短く整えられた黒髪に、鋭さを残しながらも整った顔立ち。黙っていれば近寄りがたいほど端正なのに、口を開けばその印象はあっという間に崩れる。
何より本人には、自分が特別だという自覚がほとんどない。
毎日、異世界転生門へ送られてくる魂を確認し、どの世界から来たのかを聞き取り、面倒な案件が来れば露骨に嫌そうな顔をする。
それが自分の仕事であり、それ以上でもそれ以下でもない。
少なくとも――この時までは、本人もそう思っていた。
その男の名は、甚爾軍釟(とうじぐんぱち)冥府庁・異世界転生部門。
そして、本人曰く――ただの門番である。
――異世界転生部門。
そこには今日も、さまざまな世界から送られてきた魂が途切れることなくやって来る。
その門の前で、一人の男が頬杖をつきながら、目の前の魂へ面倒そうに問いかけた。
「で、お前はどこの世界から来たんだ?」
男はまだ若い。
冥府庁の中では、間違いなく若手に入る。
短く整えられた黒髪に、鋭さを残しながらも整った顔立ち。黙っていれば近寄りがたいほど端正なのに、口を開けばその印象はあっという間に崩れる。
何より本人には、自分が特別だという自覚がほとんどない。
毎日、異世界転生門へ送られてくる魂を確認し、どの世界から来たのかを聞き取り、面倒な案件が来れば露骨に嫌そうな顔をする。
それが自分の仕事であり、それ以上でもそれ以下でもない。
少なくとも――この時までは、本人もそう思っていた。
その男の名は、甚爾軍釟(とうじぐんぱち)冥府庁・異世界転生部門。
そして、本人曰く――ただの門番である。