『冥府の門番は今日も忙しい!――聞いてないぞ! 死神が仕事放棄とか!――』
母さんが笑いながら片手を振った。

「じゃあ、あなたたちは冥府庁へ戻りなさい。私はもう少しこっちにいるから」

「何で」

「昨日の後始末よ。あなたが回復魔術まで掛けてくれたんだから、さすがに私も働くわ」

「最初からそうしてくれ」

「何か言った?」

「何も」

 笑顔が怖い。

 親父が帰った今、下手なことを言えば次は俺が被害を受ける気がした。

「それじゃ、行くぞ」

 窓路が転移術を展開しようとしたので、俺は即座に止めた。

「待て」

「何だ」

「俺も一緒に転移しろ」

「何で」

「途中で逃げそうだから」

「逃げないと言っただろ」

「信用がねぇんだよ!」

 結局、俺が窓路の肩を掴んだまま転移するという、どう考えても必要のない状態で冥府庁へ戻ることになった。

 
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