『冥府の門番は今日も忙しい!――聞いてないぞ! 死神が仕事放棄とか!――』
「俺?」

『お前以外に誰がいる』

 俺は思わず頷いた。

「それな」

『魂の出身、生前情報、死因、送り先、循環流量、異常検知。それらを最初から一つの系統で管理すれば、今回みたいな誤差も早く拾える』

 木魂おじさんが少し考える。

「……できる」

「できんの!?」

「たぶん」

「たぶん言うな!」

 すると声が少し楽しそうになった。

『まあ、その話は生き残ってからだな』

「さらっと怖いこと言うな!」

『あと、決壊防止の魔術式を急げ』

「誰が!」

『お前』

「やっぱ俺かよ!」

 そして声の主は、急に明るくなった。

『ではここで、自己紹介〜!』

「何で急に!」

 会議室上部の空間が開いた。

 そこから一人の男が、何故かくるりと回転しながら降りてくる。

「ジャジャジャーン!」

「またこれかよ!」

 男は権蔵様の横へ着地すると、両手を腰へ当てて胸を張った。

「権蔵の兄の雁字(がんじ)。そして、螺良と木魂の父でーす!」

 俺は固まった。

「……は?」

 木魂おじさんが手を振る。

「父さん」

「軽っ!」

 さらに俺は、雁字と権蔵様を見比べた。

 似ている。

 かなり。

「何でこの二人こんな似てんの?」

 母さんが当たり前のように答える。

「双子よ!」

「双子!?」

 権蔵様が笑う。

「ワシが弟」

 雁字が胸を張る。

「俺が兄」

「また双子かよ!」

 今日、双子率高すぎるだろ。

「で、爺さん何者?」

「爺さん言うたな」

「親父の親父なら爺さんだろ」

「まあいい」

 雁字は急に格好をつけた。

「そして俺はなー、何と天界の創設者です」

「……は?」

「統括も統括。一番偉い王様〜」

 両手を広げる。

「とのさまー」

 俺は母さんを見る。

「母さん、天界統括女王だよな」

「そうよ」

「じゃあこの人は?」

「創設者」

「もっと上?」

「まあ、そうね」

「何で隠居してんだよ!」

 雁字が笑う。

「疲れたから」

「自由すぎる!」

 
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