総長の、夜よりもあぶない溺愛。
校門を離れたあとも、宵闇の幹部たちは少し後ろをついてきていた。

紗月は蓮の隣を歩きながら、何度も後ろを気にしてしまう。

「……みんな、ついてきてるね」

「気にすんな」

「でも見られてるよ」

「いつものことだ」

蓮は平然としているけれど、紗月は平然ではいられない。
だって、手をつながれたままなのだ。

「蓮くん、あの……手」

「離したら迷うだろ」

「迷わないよ」

「じゃあ危ない」

さらっと返されて、紗月は言い返せなくなる。

そのやりとりを聞いていた白石が、後ろで吹き出した。

「総長、それ理由になってないっすよ」

「おまえは黙ってろ」

神崎はあきれたように肩をすくめる。

「黒瀬さん、気にしなくて大丈夫です。総長は一度気に入ると徹底的なので」

「気に入るって言い方やめろ」

蓮の声が低くなる。

相沢は楽しそうに笑った。

「でも実際、紗月ちゃんだけ扱い違いすぎるよね」

「そうなの?」

紗月が思わず聞くと、幹部たちはそろってうなずいた。
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