極甘クールな芸能人幼なじみの意地悪な溺愛~デート編・那月視点~

気づいて欲しい


優しい彼女のお陰で10分寝た俺は無敵だった。
地元駅に着くと、事前に頼んでいた相馬から制服一式を借りて(案の定朝早すぎて迷惑がられた)、部屋で着替えさせてもらった。


「マジで学校行くの?」

「なんで? ダメ?」

「いや、いいけど小松さんが校内で柊《おまえ》と一緒って、普通でいられるのかなって」

「大丈夫。楽しみすぎて普通でいられないのは俺の方だから」


笑いだした相馬に外したもの一式を押し付けた。指輪、ピアス、ブレスレット、ネックレス。
紗知と会うときにアクセサリーはいらない。
なんでって、邪魔だから。


「いる?」

「いや、やってることが芸能人すぎるだろ」

「そう? 相馬が好きそうなの選んで着けてきたのに」

「マジ? じゃあもらう」


そんな会話を数ターンして急いで制服に着替えたら感じたことのない高揚感が込み上げてきた。
制服姿の柊君、アクセ外したら結構な大人しい系だ。すごくいい!
だけど相馬は裾丈が少し足りないことを気にし出だした。


「それでいい? 裾丈ダサくない?」

「なんで、すごくいいじゃん。、一年の時から背が伸びたけど面倒で下ろしてない感がすごくリアル」


しかもお母さんにやってって言えない、家でだけイキってる系の男子。
眼鏡も髪もいい感じにそれにハマってる。
一年から紗知と同じクラスにいたみたい。
狙った通り以上の完成度だ。


「すぐ返すから。まじサンキューな」

「それはいつでもいいけど、これから部活行くから学校で見かけても無視して。俺も避けるし」

「わかってるって。他人のふりね」


相馬ってたぶんクラスカースト上の部類だもんな。確かに地味な柊君(変装した俺)とは絡んだことがなさそう。
相馬もジャージに着替えながら、学校のことをいろいろ伝授してくれた。


「なんかあったら一階の教室に逃げ込めばいいよ。ほとんど人いないし、たまに演劇部がきまぐれに練習する程度だけどそれに当たる確率はほぼないから。あいつらの活動自体が謎だし」

「一階ね、了解」

「んじゃいってら。デート楽しんで」


家を出るとき何気なく言われた一言に、顔が熱くなった。やべー、マジでこれからデートなんだ。
制服姿の紗知に会える。
夏服着てるのまだ見たことないし楽しみすぎる。



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