ハニー*シークレット

第五話 甘い一条さん

「お兄ちゃん、今のところ順調だよ」

 電車ごしに『そうか…』というつぶやきが聞こえる。

「安心してねっ!じゃあね!元気でね」

『花乃もな』

ふふふっ…相変わらず、お兄ちゃんは心配症だなぁ…。

そう思いながら電話を切って、私は一条さんのもとに駆け寄る。

「一条さん!終わりました。待っててくれて、ありがとうございました…!」

そう、一条さんは教室で待っててくれた。

「…なぁ」

にこにことしていると、ふと、一条さんのやや不満な声が聞こえた。

「?どうしたんですか?」

私はキョトンとしながら一条さんの目を見る。

「あいつと、付き合ってるのか?」

唇を一条さんの指で抑えられた。

たぶん、お兄ちゃんの親友さんのことをいってるのだろう。

「つ、付き合ってません!」

「そうか。あいつに、お前が取られるかと思った」

私は数秒固まってからじわじわと顔が赤くなっていく。

なっ…!

いくらなんでも、からかいすぎだよ!

「むぅ…一条さんの意地悪…」

「そっちの方が可愛すぎて意地悪」

かぁぁ、と顔が再び赤くなった。

「…ぅ」

顔をぐりぐりと一条さんに押し付ける。

「はぁ…お前がほしい。」

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