​『氷の王子様は、私の秘密を知っている』 〜学校一のイケメンの正体は、私の重度なトップオタク(R_K)でした〜

世界から音が消えた。

「…………」

何か言わなきゃ。

違います。

そう言えばいい。

いつものように。

本音を隠して。

相手が望む答えを返して。

「ち……」

違う。

そう言おうとした。

でも。

如月くんの手にあるアクキーが見えた。

大切に持たれていた。

傷ひとつつかないように。

まるで宝物みたいに。

この人は。

R_Kだ。

ずっと私の絵を見てくれていた人。

誰にも気づかれなかった色に、気づいてくれた人。

その人にまで。

嘘をつくの?

「…………」

声が出なかった。

否定できなかった。

それだけで十分だった。

如月くんの瞳が揺れる。

「……マジかよ」
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