『氷の王子は、地味子のパレットに溺れたい』
私はペンケースを取り出した。
ジッパーには、小さなアクリルキーホルダーがついている。
まだグッズ販売なんて夢にも思っていなかった頃、試しに少数だけ作ったナナイロの初期グッズ。
今見ると、ちょっと恥ずかしい。
でも捨てられない。
私が初めて「誰かに自分の絵を届けたい」と思った頃の証だから。
(さて……描こう)
タッチペンを握る。
その瞬間だった。
バサッ。
重い扉が開いた。
「ひゃいっ!?」
心臓が跳ねた。
私は反射的にiPadを伏せた。
誰!?
先生!?
恐る恐る顔を上げ――。
息が止まった。
「……あ」
如月怜。
一番、ここにいるはずのない人だった。
ジッパーには、小さなアクリルキーホルダーがついている。
まだグッズ販売なんて夢にも思っていなかった頃、試しに少数だけ作ったナナイロの初期グッズ。
今見ると、ちょっと恥ずかしい。
でも捨てられない。
私が初めて「誰かに自分の絵を届けたい」と思った頃の証だから。
(さて……描こう)
タッチペンを握る。
その瞬間だった。
バサッ。
重い扉が開いた。
「ひゃいっ!?」
心臓が跳ねた。
私は反射的にiPadを伏せた。
誰!?
先生!?
恐る恐る顔を上げ――。
息が止まった。
「……あ」
如月怜。
一番、ここにいるはずのない人だった。