流れ星に願いをこめて。
「……玲央くん」

 名前を呼ぶだけで、胸の奥に閉じ込めていた想いがほどけていく。

 彼は少しだけ目を細めた。
 それだけなのに、懐かしさがどうしようもなく込み上げる。

「久しぶり」

 たったそれだけ。
 ぶっきらぼうにも聞こえる短い言葉。
 なのに不思議なくらい、やさしかった。

「うん。久しぶり」

 ちゃんと笑えている自信はなかった。
 でも、ここで泣きそうになるのは違うと思った。
 あのころとは違う。
 わたしはもう、ただ守られているだけの子どもじゃない。

 会えなかった時間も、忘れられなかった気持ちも、全部なかったことにはしたくない。

「玲央くん、背伸びたね」

 精いっぱい平然を装って言うと、彼は少しだけ困ったように視線をそらした。

「紗月は、変わってない」

「それ、褒めてるの?」

「……たぶん」

 相変わらず、不器用だ。

 でも、その言葉の端々に、変わらないやさしさがにじんでいる。
 わたしが緊張していることに気づいて、きっと彼なりに空気をやわらげようとしてくれているのだ。
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