戦闘狂の新妻
***

 ブルグマンシア伯爵が植物を用いた防衛戦略を王家に提案していることは、松を植えた際にリリーからオーガストへ直接説明されていた。

 説明を受けたオーガストも諜報員を王都へ送り込み、リリーの話が事実であることを確認した。……同時に、ペンバートンが最初の実験地として選ばれていたことも。

 まずはリリーが辺境伯夫人として、辺境の防衛に植物が有用であることを示す。

 それを受けて王家は実例を持って他の辺境伯たちに同様の施策を命ずる。

 その一連の計画について、オーガストはリリーに問いただしてはいなかった。


「我がペンバートンを何だと思っているのか」


 そう一瞬思わなかったわけではない。だが、どうであれ現時点で彼女自身がペンバートンにとって、そしてオーガストにとって有益だったからだ。今さら、その真意を問い質す必要もなかった。

 ……そして、それを問いただした結果、リリーに頭を下げさせることも、この地から身を引かせることも、オーガストは望んでいなかった。

***


< 13 / 23 >

この作品をシェア

pagetop