幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い
昼休み。
友達とお弁当を食べながら、私は昨日のことを思い出していた。
蓮が好きなもの。
苦手なもの。
最近ハマっているゲーム。
そんな話を、昨日はいつもよりたくさんした。
今までだって、蓮と話すことは何度もあった。
でも、昨日は少し違った気がする。
もっと蓮のことを知りたい。
そんなふうに思ったのは、初めてだった。
「結菜、今日静かじゃない?」
「そう?」
「うん。なんか考えてる感じ」
「ちょっとだけ」
曖昧に笑って、お弁当のおかずに箸を伸ばす。
すると、教室の前を蓮が通った。
ほんの一瞬、目が合う。
蓮はいつものように軽く手を上げた。
それだけなのに。
私はなぜか、嬉しくなった。
自分でも単純だと思う。
でも、嬉しいものは嬉しい。
目の前のお弁当を食べながら、私はこっそり蓮の後ろ姿を目で追った。
その瞬間。
胸の奥が、また小さく跳ねる。
――どうして、こんなに気になるんだろう。
その疑問だけが、少しずつ大きくなっていった。