幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い
「今日、早いね」
蓮が歩きながら言った。
「蓮もじゃん」
「俺はいつもこれくらい」
「そうだっけ?」
「そう」
いつものような会話。
でも、今日はそれだけで嬉しかった。
並んで歩く道も、学校までの距離も変わらない。
なのに、昨日より少しだけ近く感じる。
「昨日さ」
蓮が口を開いた。
「明日も一緒に帰りたいって言ってたじゃん」
「あ……うん」
「今日も一緒に帰る?」
私はすぐに頷いた。
「もちろん」
答えてから、少し恥ずかしくなる。
そんなに迷わなくてもよかったのに。
蓮は何も言わず、前を向いて歩いている。
けれど、横顔を見ると、ほんの少しだけ口元が緩んでいる気がした。
「じゃあ、放課後待ってる」
「うん」
たったそれだけの約束。
それなのに。
今日一日、頑張れそうな気がした。
教室に着いてからも、そのことを何度も思い出してしまう。
放課後になれば、また蓮と一緒に帰れる。
そう考えるだけで、自然と頬が緩んだ。