幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い


放課後。

授業が終わると、私はいつもより少し早く帰る準備を始めた。

教科書を鞄にしまって、机の中を確認する。

忘れ物がないか確かめながらも、意識は教室の後ろのほうに向いていた。

蓮はまだ来ていない。

少しだけ待っていると、教室のドアが開いた。


「結菜」

「蓮」


目が合う。

それだけで、朝から続いていた小さな楽しみがまた戻ってきた。


「帰ろ」

「うん」


二人で教室を出る。

廊下を歩きながら、蓮がふと思い出したように言った。


「そういえば、帰りコンビニ寄る?」

「寄りたい!」


即答すると、蓮が少し笑った。


「やっぱり」

「なにそれ」

「昨日も行ったから」

「だって、蓮と行くと楽しいし」


言ってから、私は足を止めそうになった。

蓮も一瞬だけ黙る。

自分が言った言葉を思い返して、急に恥ずかしくなった。


「……ほら、幼なじみだから」


慌てて付け足す。

蓮は少しだけ私を見てから、


「うん」


とだけ答えた。

その声が、いつもより少し優しく聞こえた。

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