幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い


少し歩いたところで、前から自転車が近づいてきた。

道が狭かったから、私はそのまま歩いていた。

すると、蓮が何気なく私の肩を軽く引いた。


「こっち」

「え?」

「自転車来てる」


気づけば、私は蓮のすぐ隣に寄っていた。

自転車が通り過ぎるまで、蓮は道路側を歩いている。


「ありがと」

「うん」


それだけ。

蓮にとっては、いつものことなのかもしれない。

でも私は、さっき触れられた肩のあたりをなんとなく意識してしまった。

少しだけ熱が残っているような気がする。


「……どうした?」

「え?」

「さっきから静か」

「なんでもないよ」


慌てて前を向く。

蓮は少し不思議そうに私を見るだけで、それ以上は聞かなかった。

その優しさにも、また胸が反応する。

最近、こういうことが多い。

蓮が何かしてくれるたびに、嬉しくなる。

前からずっと優しかったはずなのに。

どうして今になって、こんなに気になるんだろう。

歩きながら、私はその答えを考えていた。
< 22 / 177 >

この作品をシェア

pagetop