幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い
 昼休み。

 私は友達と話しながら、机の上にお弁当を広げていた。


「そういえば、昨日も蓮と帰ったんでしょ?」

「うん」

「毎日一緒だね」

「幼なじみだからね」


 いつもの言葉。

 そう答えたのに。

 昨日の帰り道を思い出してしまう。

『明日も待ってる』

 胸が少しだけ熱くなった。


「結菜?」

「ん?」

「また蓮のこと考えてた?」

「考えてない!」

「顔に出てるよ」

「出てないって!」


 友達が笑う。


「最近、ほんと分かりやすい」

「だから何が?」

「蓮が近くにいると嬉しそう」

「……」


 私は黙ってしまった。

 そんなこと、考えたこともなかった。

 蓮が近くにいると嬉しい。

 それは確かにそうかもしれない。

 でも。

 それって、幼なじみなら普通じゃないのかな。

 小さい頃から一緒にいるんだから。

 そう思っていたとき。


「結菜」

「ん?」


 蓮が私の机の横に来た。


「放課後、今日も帰る?」

「うん!」


 反射的に答えてしまう。

 蓮が少しだけ目を細めた。


「……嬉しそう」

「え?」

「いや」


 そう言って、自分の席に戻っていく。

 私はしばらく、その背中を見ていた。
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