幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い


家の近くまで来ると、いつものように足を止める。


「じゃあ、また明日」

「うん。また明日」


手を振って、私は家へ向かった。

少し歩いてから振り返る。

蓮はまだそこにいた。

私が振り返ったことに気づくと、軽く手を上げる。

私も笑って手を振り返した。

家に入ってからも、さっきの会話が頭から離れなかった。

――卒業しても、ちゃんと会う。

たったそれだけの約束なのに。

どうしてこんなに嬉しいんだろう。

ベッドに座りながら、今日の帰り道を思い返す。

自転車から守ってくれたこと。

歩く速さを合わせてくれたこと。

卒業してからも会うと言ってくれたこと。

どれも特別なことじゃない。

蓮なら、きっと誰にでも優しい。

……そう思ったところで、少しだけ胸が引っかかった。

誰にでも?

本当にそうなのかな。

考えようとして、私はやめた。

今はまだ、分からない。

ただ。

明日もまた、蓮と一緒に帰りたい。

それだけは、はっきりしていた。
< 25 / 177 >

この作品をシェア

pagetop