幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い
家の近くまで来ると、いつものように足を止める。
「じゃあ、また明日」
「うん。また明日」
手を振って、私は家へ向かった。
少し歩いてから振り返る。
蓮はまだそこにいた。
私が振り返ったことに気づくと、軽く手を上げる。
私も笑って手を振り返した。
家に入ってからも、さっきの会話が頭から離れなかった。
――卒業しても、ちゃんと会う。
たったそれだけの約束なのに。
どうしてこんなに嬉しいんだろう。
ベッドに座りながら、今日の帰り道を思い返す。
自転車から守ってくれたこと。
歩く速さを合わせてくれたこと。
卒業してからも会うと言ってくれたこと。
どれも特別なことじゃない。
蓮なら、きっと誰にでも優しい。
……そう思ったところで、少しだけ胸が引っかかった。
誰にでも?
本当にそうなのかな。
考えようとして、私はやめた。
今はまだ、分からない。
ただ。
明日もまた、蓮と一緒に帰りたい。
それだけは、はっきりしていた。