幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い
 昼休み。

 お弁当を食べ終わった私は、友達と廊下を歩いていた。


「結菜、今日の放課後どうする?」

「蓮と帰るよ」

「また?」

「うん」

「ほんと毎日だね」

「だから、幼なじみだもん」


 そう答えたところで、前から蓮が歩いてきた。


「あ」


 目が合う。

 蓮がこちらに近づいてくる。


「結菜」

「ん?」

「これ」


 蓮が私に小さな袋を渡した。


「何?」

「昨日、コンビニ行ったから」

「え?」


 袋の中には、私が前に好きだと言っていたお菓子が入っていた。


「……これ」

「好きだろ」

「覚えてたの?」

「覚えてる」


 あまりにも普通に言うから、私は言葉が出なかった。


「ありがと」

「別に」


 蓮はそれだけ言って、教室へ戻っていく。

 私は袋を見つめた。


「……」

「結菜」


 隣にいた友達が、私の顔を見る。


「何?」

「もう、それは幼なじみとか関係なくない?」

「え?」

「わざわざ買ってきてくれたんでしょ?」

「……うん」

「しかも、結菜が好きなやつ」

「……うん」

「どう思う?」

「どうって……」


 私は袋をぎゅっと握る。

 嬉しい。

 それは確かだった。

 でも。

 どうしてこんなに嬉しいのかは、やっぱり分からなかった。
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