幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い
コンビニに着いて、私はお菓子を選んだ。
「これにする」
「また甘いやつ」
「蓮だって甘いもの好きじゃん」
「好きだけど」
「じゃあ一緒じゃん」
「結菜ほどじゃない」
「えー」
会計を終えて店を出る。
私は買ったお菓子を鞄にしまった。
「ねえ、蓮」
「何?」
「今日も一緒に帰れてよかった」
自然に出た言葉だった。
蓮は少し驚いたように私を見る。
「……うん」
「何?」
「いや」
「変なの」
「結菜が急にそういうこと言うから」
「だって、本当にそう思ったんだもん」
蓮はしばらく黙っていた。
それから、少しだけ笑った。
「俺も」
「……そっか」
また胸が鳴った。
最近、この感覚にも少し慣れてきた。
蓮と話すと嬉しい。
蓮が笑うと嬉しい。
名前を呼ばれると嬉しい。
一緒に帰れると嬉しい。
会えないと寂しい。
――これって。
私は歩きながら、少しだけ考える。
今までずっと「幼なじみだから」って思っていた。
でも。
本当に、それだけなのかな。
「……」
答えはまだ分からない。
だけど。
少しだけ、怖くなった。
もし、この気持ちが今までとは違うものだったら。
もし私が、蓮のことを――。
「結菜?」
「え?」
「どうした?」
「ううん」
私は慌てて笑った。
「なんでもない」
まだ、言葉にはできない。
ただ。
蓮の隣にいることが、今までよりずっと大切になっている。
そのことだけは。
もう、気づき始めていた。