幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い
放課後。
今日は少しだけ帰る準備が遅くなった。
急いで鞄を持って教室を出ると、廊下の向こうに蓮がいた。
壁にもたれながら、スマホを見ている。
「蓮、待ってたの?」
「うん」
「ごめん、遅くなった」
「別にいいよ」
いつものように答えてくれる。
そのことが嬉しくて、私は自然に笑った。
「帰ろ」
「うん」
歩き出してすぐ、蓮が鞄から小さなお菓子を取り出した。
「これ」
「え?」
「朝、コンビニで見つけたから」
手渡されたのは、私が前に好きだと言ったお菓子だった。
「……覚えてたの?」
「前に言ってたじゃん」
何でもないことみたいに言う。
でも私は、そのお菓子を見つめたまま動けなかった。
覚えていてくれた。
たったそれだけなのに、胸がいっぱいになる。
「ありがとう」
「うん」
お礼を言って鞄にしまう。
それからしばらく、私は何も言えなかった。
嬉しい。
すごく嬉しい。
その気持ちが、どうしてこんなに大きくなるのか。
やっぱり、分からなかった。