幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い


帰り道。

いつもならくだらない話をしながら歩くのに、今日は少し静かだった。

私はもらったお菓子を鞄の中で何度も確認してしまう。

別に、なくなるわけじゃない。

それなのに、なぜか気になった。


「そんなに気になる?」


隣から声がする。


「え?」

「さっきから鞄見てる」


見られていたことが恥ずかしくなって、私は慌てて前を向いた。


「だって、嬉しいから」


素直に答えると、蓮は少し黙った。


「……そっか」


その声が、なんとなく優しく聞こえた。

私は横目で蓮を見る。

夕方の光が横顔に当たっている。

いつも見ているはずなのに。

今日は、少しだけ違って見えた。


「蓮ってさ」

「ん?」

「私のこと、よく覚えてるよね」

「そう?」

「好きなものとか、苦手なものとか」


少し考えてから、蓮が答える。


「結菜のことだから」


その言葉に、胸が止まりそうになった。


「……どういう意味?」

「そのまま」


それ以上は何も言わない。

私はしばらく、その言葉の意味を考えていた。

結局、分からなかった。

でも。

嬉しいと思った。

それだけは、はっきりしていた。
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