幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い
家に帰ってから、私は机の上に鞄を置いた。
中から、蓮にもらったお菓子を取り出す。
しばらく眺めてから、引き出しにしまった。
すぐに食べるのがもったいない気がした。
「……何やってるんだろ」
自分で笑ってしまう。
お菓子ひとつ。
ただのお菓子なのに。
蓮からもらったというだけで、特別に感じてしまう。
ベッドに寝転がって、天井を見る。
最近、蓮のことを考える時間が増えた。
朝、会えるかなって思う。
学校では、どこにいるのか気になる。
放課後は、一緒に帰れると嬉しい。
隣にいると落ち着くのに、近いと少し緊張する。
離れると寂しい。
近づくと嬉しい。
「……なんでこんなに気になるの」
答えは出ない。
幼なじみだから。
ずっと一緒にいるから。
きっと、それだけ。
そう思おうとする。
でも。
心のどこかでは、もう分かり始めていた。
ただの「いつも通り」では説明できない何かが、自分の中に生まれていることを。
その正体には、まだ気づかないふりをしていた。