幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い
昼休み。
友達と話していると、教室の後ろからまた声が聞こえた。
「結菜」
振り返る。
蓮がこちらを見ていた。
「今日、一緒に帰るよね?」
「うん」
「じゃあ、先に帰らないで」
「分かった」
それだけの会話。
蓮が自分の席へ戻ると、友達が私の顔を覗き込んだ。
「また嬉しそう」
「そう?」
「うん」
私は慌ててお弁当に視線を落とした。
「普通だよ」
「ふーん」
からかうような声。
私は何も言わずにおかずを口に運ぶ。
でも、さっきの「結菜」が頭から離れなかった。
蓮はいつも私を名前で呼ぶ。
昔から変わらない。
それなのに、最近はその声を聞くと嬉しくなる。
名前なんて、自分では選べないものなのに。
蓮に呼ばれると、自分の名前まで少し好きになった気がした。
そんなことを考えていたら、また顔が熱くなってくる。
私は慌ててお茶を飲んだ。