幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い
会えないと、少し寂しい
金曜日の朝。
いつものように、蓮と一緒に学校へ向かっていた。
朝の空気は少し冷たくて、歩くたびに白い息がほんの少しだけ見える。
「今日、帰りどうする?」
何気なく聞いた私に、蓮が少しだけ考えるように前を向いた。
「今日、先生に頼まれた仕事あるから。ちょっと残る」
「そっか」
それだけのことだった。
先生に頼まれた仕事なら仕方ないし、蓮が悪いわけでもない。
なのに。
胸の奥が、ほんの少しだけ沈んだ。
「結菜、先帰ってて」
「うん」
いつもなら、なんとも思わないはずだった。
放課後、一緒に帰る。
それが毎日のように続いているから、今日もそうだと思っていた。
だからこそ、予定が変わったことが思ったより寂しかった。
「じゃあ、また明日」
「うん。また明日」
校門の前で別れてから、私は教室へ向かった。
たった一日のことなのに。
どうしてこんなに気になってしまうんだろう。
そのときの私は、まだその理由をちゃんと考えようとはしなかった。