幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い
公園を出て、帰り道を歩く。
さっきから頭の中では、蓮の言葉が何度も繰り返されていた。
――結菜といる時間。
たったそれだけの言葉なのに。
思い出すたびに、胸がくすぐったくなる。
「結菜」
「ん?」
「さっきから静かだけど、眠い?」
「違うよ」
「じゃあ、どうした?」
「……なんでもない」
言えるわけがない。
蓮の言葉を思い出して、ずっとドキドキしているなんて。
「そっか」
蓮はそれ以上聞かなかった。
しばらく歩いていると、蓮がまたポケットから何かを出した。
「これ」
「またカイロ?」
「うん。さっきの冷たくなってきただろ」
「……分かるの?」
「見れば分かる」
そう言って、蓮が私の手の中にカイロを入れる。
そのとき。
指先が、ほんの少しだけ触れた。
「……」
「……」
二人とも、何も言わない。
ただ、歩く速度だけが少し遅くなった。
触れたのは一瞬だったのに。
そこだけ、ずっと熱が残っているみたいだった。
――どうしちゃったんだろう。
最近の私は。
蓮の何気ない言葉や仕草だけで、こんなにも心が騒がしくなる。