幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い
家の近くまで来たところで、私はふと足を止めた。
「蓮」
「ん?」
「今日さ」
「うん」
「蓮のこと、もっと知りたいって思った」
言ってから、少し恥ずかしくなる。
でも、今はちゃんと伝えたかった。
蓮は少しだけ目を細めて、それから優しく笑った。
「じゃあ、少しずつ教える」
「少しずつ?」
「うん。一気に全部じゃなくて」
「……なんで?」
「そのほうが、長く話せるから」
「……そっか」
また胸が熱くなった。
長く話せる。
これからも、もっと一緒にいられる。
そのことが嬉しい。
「じゃあ、私も少しずつ教えるね」
「うん」
「私の好きなものとか」
「楽しみにしてる」
「嫌いなものも」
「それも知りたい」
「最近ハマってるものとか」
「全部聞く」
蓮の言葉が嬉しくて、思わず笑ってしまう。
「じゃあ、覚えてね?」
「もちろん」
その返事を聞いて、また笑った。
幼なじみだから知っていること。
幼なじみだから知らないこと。
その両方を、これから少しずつ増やしていけたらいい。
そんなことを思った。