幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い
知らなかった顔
翌週の月曜日。
朝の教室は、いつもより少しだけ騒がしかった。
週末に何をしていたとか、昨日見た動画が面白かったとか。
それぞれが友達と話しながら、始業前の時間を過ごしている。
結菜も友達と話しながら、何気なく教室の後ろへ視線を向けた。
そこには蓮がいた。
席に座って、スマホを眺めている。
いつもと変わらない姿。
黒い髪が少しだけ目にかかっていて、制服の袖から伸びた手がスマホを操作している。
ただ、それだけだった。
なのに。
最近の結菜は、蓮が教室にいると無意識に目で追ってしまう。
いつからだろう。
前までは、同じ教室にいることなんて当たり前すぎて、わざわざ意識することもなかった。
朝、蓮が来ている。
授業を受けている。
休み時間には友達と話している。
放課後になれば、一緒に帰る。
それがずっと続いてきたから。
でも今は、蓮の姿を見つけるだけで、ほんの少しだけ安心する。
そして、目が合ったりすると。
それだけで胸の奥が小さく跳ねる。
「……」
結菜は慌てて視線を逸らした。
自分でも、どうしてそんなことをしてしまったのか分からない。
ただ、最近の自分は少し変だ。
そう思った。